要衝 2013 2 11

国土が守れても、海上交通路が寸断されれば、日本は終わり。

2013年2月11日の朝日新聞には、こういう記事がありました。

パキスタンの重要港 中国企業の運営に

 パキスタン南西部にある要衝グワダル港の運営者が、
シンガポール企業から、中国の国有企業に移ることになった。
 インドなどは、中国がインド洋から中東方面の海域で、
影響力を増すことを懸念している。
 グワダル港は、アラビア海に面し、
中東からの原油輸送の要衝ホルムズ海峡の近くに位置する。
インドやアメリカは、将来の軍港化に警戒感を強めている。
(引用、以上)
 記事には、インドやアメリカが懸念していると書いてありますが、
日本のことは書いてありませんでした。
 しかし、最も影響を受ける国は、日本でしょう。
日本の原油輸入は、8割以上が、ペルシャ湾に依存していると言われています。
 日本の場合は、エネルギー資源を海外に依存していますので、
国土が守れても、海上交通路が寸断されれば、日本の繁栄は終わりです。
 資源が乏しい国は、
国土防衛だけでなく、海上交通路の防衛も非常に重要です。

ペルシャ湾 2012 11 4
 将来、アメリカから、
「ペルシャ湾は、日本が自力で守れ」と言われる日が来るでしょう。
 現在、ペルシャ湾は、バーレーンに司令部を置く、
アメリカ第5艦隊(空母を含む)が守っていますが、
この体制が、いつまで維持できるか。
 アメリカは、いつの間にか、原油輸入の多様化を進め、
原油の中東への依存度は、かなり下がっています。
 やがて、アメリカは、中東なしでも、
原油も天然ガスも輸入先に困らないということになるでしょう。
さらに、今、アメリカは、シェールガスやシェールオイルで盛り上がっています。
 これは、もしかすると、禁断の果実を口にしたかもしれませんが、
いずれにせよ、アメリカの国内資源は有力です。
つまり、アメリカの中東への関心は下がっていくでしょう。
 問題は、アメリカの納税者の動向です。
「巨額の税金を使って、アメリカ第5艦隊を駐留させているが、
これは、税金の無駄遣いではないか」という声も出てくるかもしれません。
 そうなると、いったい、どこの国が、
ペルシャ湾の原油や天然ガスを最も利用しているのか。
つまり、最も恩恵を受けている国が、ペルシャ湾を守るべきではないかとなるでしょう。
その国とは、日本です。
 相変わらず、日本の政治家は、天下泰平の日々を過ごしているでしょうが、
本当に、のんびりしていていいのか。
 親米派の政治家は、「日米軍事同盟があるから大丈夫だ」と言うでしょうが、
はたして、それでアメリカの納税者を納得させることができるのか。
 世界は、刻々と変わりつつあるのです。
にもかかわらず、日本の政治家の頭は、終戦直後のままです。

空母 aircraft carrier 2005 2 17
 日本は、将来的に、空母が必要になるでしょう。
なぜかというと、アメリカの軍事力が弱体化するからです。
 アメリカは、巨額の財政赤字を抱えています。
それは、天文学的な数字です。
これでは、いつか「空母セット」が維持できなくなります。
(空母と駆逐艦のセットを維持するには、巨額の経費がかかります)。
 日本人が贅沢できるのは、貿易で、金儲けしているからです。
そして、儲けた「お金」で、世界中から、資源や食糧を買い集めているからです。
 こうした「日本の贅沢」は、アメリカの軍事力が弱体化すれば、終わりです。
まさか、飛行機に、日本製品を積んで、商売するわけにはいかないでしょう。
 「アメリカの財政赤字の状況」と「アメリカ軍の再編成」を見ながら、
日本の空母を検討すべきです。
今のアメリカの財政では、全世界に、
「空母セット」を展開することはできないはずです。





























































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